• テキストサイズ

君とならキスだけで【TIGER&BUNNY】

第18章 Tintarella di luna 後編


無表情を装った。

上手く出来た筈だ。

眉ひとつ動かしていない。

だけど、心臓は破裂しそうな程に高鳴っていた。


「そう……ですか?」

「ええ。
 間違いないですよ。」


この男は気付いているのか?

私を陥れようとしているのだろうか?

ルナティックの正体が明らかになったとしても、何を恐れる事がある?

表の職は失うかもしれないが、私にとってそれは大した問題ではない。

なのに……何故か、この男に知られる事には死刑囚が首にロープを掛けられた瞬間のように恐れ戦いてしまうのだ。

高速で考えを廻らせ、何か言わなくてはと顔を上げた私の前髪を、ワイルドタイガーの右手がフワリと耳に掛ける。

「Mr.……」

「ね………だからやっぱり、
 俺とユーリさんは一緒に居なきゃいけないンじゃないスか?
 ホラ……今夜は特に。」

私の耳に掛けた手はそのままに、ワイルドタイガーは顔を寄せて来た。
/ 461ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp