第14章 君の手をひいて歩く僕の未来
さんは、他人の手を握るとその人の未来が見えるNEXTだ。
これからも僕の手を握って、新しい世界を切り開いてくれるんだろう。
でも今は僕もさんの未来が見えますよ。
左手の薬指に僕とお揃いの頑丈な指輪を着けて、ちょっと大人っぽくなったさんがブロンドでグリーンアイのベビーを抱いてる。
毎日笑い合って、時々ケンカして。
ケンカしてもきっと最後に謝るのは僕の方だろうな。
それから一緒に年齢を重ねて………出来れば僕は、さんより先に逝きたい。
さんの居ない日々なんて、耐えられないと思うから。
ああ………これは、さんの未来じゃない。
だって見えているのは…………
さんの泣き顔、
さんの拗ねた顔、
さんのとびっきりの笑顔。
これ、僕視線のビジョンだ。
だからこれは…………
君の手をひいて歩く
僕の
未来。
END.