第11章 兎と薔薇はどっちが強い?
うららかな日射しが降り注ぐ、ある日の午後。
ここはシュテルンビルド。
ゴールドステージにあるジャスティスタワー内、ヒーロー専用トレーニングセンターにて………
バーナビー・ブルックスJr.はイラついていた。
バーナビーの視線の先にはブルーローズの姿。
トレーニングの合間に休憩しているのだろう。
流れる汗をタオルで拭いながら、その顔には柔らかい笑みを浮かべていた。
不思議なのは汗を拭うタオルとは別に、ブルーローズの手にはもう1枚のタオルがある事だ。
そのタオルを使う様子は全く無く、それどころかまるで宝物を扱うような仕草、ウットリとした視線……
それがバーナビーをどうしようもなく苛立たせているのは間違い無い。
何故なら、ブルーローズが見つめるタオルには………
謎の生き物らしきイラストと『鏑木酒店』の文字。