第10章 真夏の夜の訪問者 前編
「バニ……イッちまう……」
ジュルジュルと下品な音を発ててイチモツをしゃぶりながら、バニーは上目遣いで俺を誘い促した。
そんな表情で見られたら………
「離…せ……」
「ンンー……」
駄々っ子みたいに首を振るバニー。
「離せって……バニー…
も…出るからッッ……」
ヂウウウウウッッ……
「バカッ……
んな、強く吸ったら……
アアッ……ウアッ!」
イチモツから精液が噴き出す度に、バニーが飲み込んでいくのが分かる。
一滴も漏らすまいと、執拗に吸い上げながら……。
「ハ……ハア……
お前さ……
何、飲んでンだよ……」
確かに快感はあった。
あったけど………
コレじゃあ、バニーに無理矢理搾り取られたみてえな感覚だ。
ああ……
ワインのテイスティングをするみてーに、目を細め舌先で唇を舐めているバニーは……
キレイだよな、やっぱり。
男相手でも呆気なく欲情しちまう程キレイだけど、その《得体の知れない》キレイさが………
どうしてだろう……今夜に限って、何故か怖い。
バニーの口だけで簡単にイかされた俺が、羞恥と罪悪感を誤魔化すために
「バニーも……ヌいてやっから……」
なんて上体を起こした時………
「………足りない。」
聞こえたバニーの虚ろな声。
「へ………?」
「足りないんです。」
「え……何が?
オ…オイッ……バニッ!」
俺は両肩を強く突き飛ばされ、再びベッドへ仰向けに沈む。
そしてバニーは長くて白くてキレイな脚で俺の腰を跨ぐと、艶やかに微笑みながら言った。
「今度はコッチに下さい……虎徹さん。」