第10章 真夏の夜の訪問者 前編
「ばに…ンッ……ンウ…」
「虎徹さん……
ホラ、もっと……」
俺の方から貪るように求めるキスを、バニーは笑顔で受け入れてくれる。
そして何故かバニーの舌は俺の唾液を掬うみたいに動いていた。
俺の両腕はバニーの首に回り、バニーの両手は俺のTシャツをたくし上げる。
「あ……ダメだ、バニー……」
「何が、ダメ?」
「俺の裸……見んな…」
「ふふ……何を今更?
いつも見てるでしょう?」
「そ……だけど…」
これまで着替える時だって、シャワールームでだって、俺は特に意識する事無くバニーの前で裸になってた。
でも今……こういう状況になって、バニーに触れられるんだって思ったら酷く恥ずかしい。
それなのにバニーはあっさりと俺のTシャツを剥ぎ取った。
「ごめんな……」
「どうして謝るんですか?」
「俺……汚ねーから……」
「汚い?」
「疵だらけで……バニーみたいにキレイじゃねえし。」
「貴方の身体は美しいですよ……とても。」
バニーの唇が俺の右肩を柔々と食む。
「この疵は僕を庇って着いたもので………」
それから唇は脇腹に移動して、そこをねっとりと舐め上げた。
「そしてここの疵は……僕が着けたものだ。
愛おしくない筈が無い。」
その舌の熱さと、俺の身体を這い回る掌の冷たさとのギャップが更に俺を煽る。
最大に膨らんだ自分のイチモツから、ジワリと液体が漏れ出すのを感じた時………
「ここ……ツラそうですね。」
バニーの右手は遂に核心に触れた。