第1章 Red Lip
もう随分と経験していなかった極上の快感に身を委ね、大の字に転がるオレの横でベッドがギシっと鳴る。
ふとその方向へ視線を向けて見ると、バニーが彼女の腰に跨っていた。
「エッ…ちょっ……バニー!?」
あたふたと上体を起こして問い掛ければ、バニーは「何ですか?」なんて不敵に笑ってやがる。
「これはこの人のNEXT能力のせいですよ。
当然虎徹さんだけじゃなくて僕にだって影響は出ます。
だから……
ねえ、構わないでしょう……さん?」
あ、彼女さんっていうんだ。
名前も知らずに抱いたオレって……
それに何でバニーは彼女の名前知ってんの?
そんな今更の事を考えている間にも、バニーがさんに跨って膝立ちのままVネックの黒いTシャツをガバッと脱いだ。
あーーー……やっぱバニーって綺麗だなァ。
オレより逞しい胸板に、カッチリ割れた腹筋。
肌なんてピチピチしちゃってさァ……若さってスゲーよな。
オレが見惚れる程の裸体を見せ付けられて、さんの目も何だか妖しく潤んでねーか?
「来て……バーナビー…」
なんてニッコリと微笑まれたらもうオレの出番なんて皆無だ!
バニーの手が、オレがズラしたままのさんのブラをゆっくりと脱がせている間に
「オイッ、バニー!
ちょっと待てって!
オレ出て行くからさッ!
そっからスタートってコトで……」
オレはそう言って、ベッドから飛び降りようとしたんだけどさ……
「何を言っているんですか、虎徹さん。
貴方はそこでちゃんと見ていて下さい。
僕は虎徹さんのセックスを全部見たんですよ。
じゃあ僕のも見せなくちゃフェアじゃないでしょう?」
「いやッ……フェアとか、そーゆーんじゃなくてさ……」
「ダメですよ。
虎徹さんはそこに居て下さい。
僕のセックス……見たくないですか?」