第7章 love's oracle ~dandelion~ Ⅰ
ヒーローなんてモンをやってるとさ……
結構ディープな犯罪に出会す事も少なくねえ。
その中でも一番胸糞悪いのがレイプ犯罪だ。
被害者には何1つ落ち度なんかないのに、まるで襲われた自分が悪いんだと思ってしまう女も多い。
それはセカンドレイプと言われる周りの対応や環境のせいであって、それを恐れるが余り泣き寝入りする被害者もいるくらいだ。
「触らないで」「怖い」「助けて」…………
ハハッ……
まさかがその被害者だったとはな。
自身はその恐怖を心の奥底に封印してたのかもしれねー。
そこを俺が触れちまった事で封印が解けちまったんだろう。
もしかすると……いや、きっと、の目が見えないのもそのせいか?
そうならその糞レイプ野郎を見つけてやれば、の目は元に戻るかもしれねー。
ガクガクと震え続けるを刺激しないように、俺はそっとその丸まった身体を抱き寄せる。
「大丈夫だ……。
もう怖くない。
……大丈夫。……大丈夫。」
だんだんと落ち着いてくる呼吸。
全身の強張りが徐々に抜けていって、クッタリと俺に身体を預けたの寝顔は一欠片の穢れだって感じられない。
だったら、この先もを穢すワケにはいかねーよな。
俺は朝になるまでずっと、ベッドの上でを抱き締め続けていた。