第7章 love's oracle ~dandelion~ Ⅰ
バーナビーに教えてもらったの自宅へ、チャーターしたリムジンで乗り付ける。
住宅街に突然現れた27フィートのリムジンにゴールデンライアン……
近所の住民達が興奮気味に見守る中、エデンローズの花束を抱えた俺はドアチャイムを鳴らした。
すぐに母親に付き添われて出て来た。
母親はこの状況に目を丸くし、は頬を染めて恥らっている。
そして俺はと言えば………
いつもとは違うシックで上品なワンピースに身を包み、ブロンドを大人っぽく結い上げたの姿に息を飲んだ。
「………変…かな?」
不安そうに問いかけるの声にハッと我に返り
「いやッ……スゲー似合ってる。
あんまりキレイなんで見惚れちまった……マジで。」
そっとの手を取る。
そして母親に向き直り軽く頭を下げて言った。
「先日はご心配をお掛けして申し訳ありませんでした。
食事が終わったら、さんはちゃんと俺が送り届けますから。」
「ライアン……」
初めて聞く俺の真摯な言葉遣いに驚いたのか、は俺の手をキュッと握り返す。
それから母親は震える唇に手を添えて、涙を滲ませた目で俺を真っ直ぐに見ていた。
「ありがとう、ライアンさん……
どうかを……よろしくお願いします。」
もうだけじゃねえ。
この母親も絶対に悲しませるワケにはいかねえ……と、俺は自分の密かな想いを一層強固にしてとリムジンに乗り込み、まるで祝福を受けるかのような歓声の中、大勢の住民達に見守られてゴールドステージへ向かった。