第1章 Red Lip
「クッッ……アッ……友恵ッ!」
ズルンッと引き抜かれたペニスから勢い良く精液が飛び散り、さんの白いお腹を更に白く染めていく。
「ンッ……ンッ…」
自身の手で小刻みにペニスを扱き全てを吐き出した虎徹さんは、さんの隣にゴロンと大の字に転がった。
典型的な一人よがりのセックス。
それ、女性が最も嫌うタイプですよ……虎徹さん。
しかも自分じゃ無い女性の名前を呼びながらイかれるなんて、さんのプライドは………
そう思って目を向けてみると、さんはまるで聖母のような笑みを湛えて隣で呼吸を荒らげる虎徹さんの髪を優しく撫でている。
…………この人は、一体何者なんだろうか?
僕の中に湧き起こる……
疑問、興味、憐憫、嫉妬、孤独、独占、淫欲………
どの感情が誰に向けられているのかも分からない。
確かなのは……
僕もさんのNEXT能力に当てられてしまったようだ。
だから僕はロッキングチェアから立ち上がり、ゆっくりとベッドへ近付いていった。