第6章 Loving you is Killing me.Ⅲ 後編
「ライアン、虎徹さんを責めるのは違います。
僕が一方的に虎徹さんを……。
だから、もう……」
ソファーの上でライアンに向き合い、その胸を両腕でやんわりと押し留める。
だけどどうしてもライアンの顔を見る事が出来なくて、俯いたままの僕へ低い声が掛けられた。
「……ったく。
まだそんなコト言ってンのかよ、アンタ?
どーして、気付かねーんだ。」
「え………?」
顔を上げた僕の顎をライアンの右手がガッチリと掴み、そして不敵に口角を上げる。
「じゃあ、オッサンをイジメるのは止めてやっからさ………
俺にキスしてくれよ、バーナビー。
いつも俺とシテるヤツだぜ。
グッチャグチャに舌絡ませて、
ペニスがおっ勃っちまうよーなエッロいヤツな。」
どうして?
どうして虎徹さんの前でそんなコト……
ライアンが何を考えているのか理解出来ない。
それでも僕はこの場を収める為ならば…と目を閉じ傾けた顔をライアンへ寄せ………
「うわッ……」
気が付けば、僕の身体は背後から虎徹さんの両腕に腰を抱えられ浮いていたんだ。
「えっと……あの…虎徹…さん?」
これは一体どういう状況なのだろうと僕は狼狽える。
只、虎徹さんに抱えられているという事実に喜びが湧き上がってしまうのだけは、どうやっても抑え切れなかった。