第6章 Loving you is Killing me.Ⅲ 後編
「ライアン、止めて下さい!
虎徹さんがッ……」
「いいじゃん!見せつけてやろーぜ。
オッサンにさ、俺とバーナビーがいつもどーゆー風に愛し合ってンのか。」
「オイ……
オレ、帰るからさ……
続きはその後にしてくれよ、ライアン。
……邪魔して悪かったな。」
流石に虎徹さんは気不味い顔をして腰を浮かす。
………嫌だ!
帰らないで、虎徹さん。
僕は今でも貴方の事を………
「本当に止めて下さいッ!」
「照れンなよォ、王子様。
ココ…俺に弄ってもらうの好きだろ?」
そう言ったライアンの両手が、後ろから僕のベルトを外しに掛かった。
「嫌だッッ!」
「ヤダヤダって言いながらさ………
いつも最後は泣きじゃくって飛ンじまうのは誰だよッ!?」
その声は明白に怒りと苛立ちを含んでいる。
ここまではいつも通りのふざけた調子だったクセに、急に激昂し出したライアンに僕も虎徹さんも固まってしまった。
その隙を突かれて僕はライアンにソファーの上へ押し倒される。
「ホントにッ……止めて、ライアン!」
「あー……もう喋んなって。
キス出来ねーだろ?」
ライアンに力尽くで抑え込まれて全然動けない。
………こんなライアンは初めてだ。
いつもあんなに優しくて、僕を大切にしてくれて……
それが当たり前だと思っていた僕が……
そんなライアンに甘えていた僕がいけないのか?
悔しくて、自分が情けなくて視界が滲む。
だけど、今は……
虎徹さんだけにはこんな姿を見られたくないんだ。