第6章 真っ直ぐな瞳
とりあえず、を部屋に入れて話を聞く。
「なんでここ知ってんの?」
『赤葦くんに聞いたの』
「インタビュー中継は?」
『お母さんにお願いして抜けて来た』
えへへっと笑うは、高校の時から変わらない。
はぁ…とため息を吐くと、向かい合って座るを抱きしめた。
「おめでとう」
『…!ありがとう!』
は嬉しそうにお礼を言うと、ぎゅっと俺を抱きしめ返す。
『ねえ、秋くん…』
「ん?」
『私、最優秀賞取ったよ』
「うん、おめでとう」
『お願いがあるんだけど…』
俺の腕の中で静かにが話し出す。
「俺にできる事ならなんでも叶えるよ」
これは嘘じゃない。
が甘えてきたんだ、なんでも叶えてやりたい。
ただでさえ、全然会えなかったんだから。
『あのね、秋くん…』
は、昔と変わらない真っ直ぐな瞳で俺を見つめる。
『私と、結婚してくださいっ!』