第4章 Loving you is Killing me.Ⅱ 前編
だいたいいつも同じ時間に出社する。
面倒くさいことこの上ないが、それも契約の1つなので、とりあえずやる。
オフィスに入ると、俺の“相棒”が先に来て座っている……あれ?
「ねぇ、ジュニア君は?」
いつもの席に“相棒”の姿がない。
俺はオフィスにいつもいるメガネのおばさんに声をかけた。
おばさんは、チラリとこちらを見ながら
「おはようございます」
と言ってきた。
「あー、ぅはよー」
そっか挨拶抜けてたな。ニカッと笑って言ってやる。
「……」
すると今度は無言で、ペン先を俺に向けている。
「?」
「早く、入って下さい……」
俺のすぐ後ろに俺の“相棒”ジュニア君が立っていた!
「うわっ!ナニっ!?ジュニア君、ナンで気配消してんのっ!?」
「……」
それには無言でオフィスに入って行こうとするジュニア君……
俺は思わず肩を掴んだ。
俺の手を振り払おうと腕を上げてくる、
なのに……いつもの力がない。
俺は次に、ジュニア君のアゴを掴んで、自分の方へ顔を向かせた。
「!!!」
思わず息を飲んだ。
「あー、さっき呼びだしあったんだなー、行くぞ」
「……え?」
俺はジュニア君の腕を引っ張って、オフィスを出た。