第5章 streetPass
「うおっ!!」
「ひぎょえああああああ!」
「ちょっ、あすか待っ…」
楽がわざと驚いたフリをすると、
あすかも吊られてびっくりしたのか、走り出した。
楽ほんと懲りない。
ちょっ、足速っ…
「あすかっ待って!」
腕を掴むと、今にも泣きそうな顔で振り向いてきたと思ったら、
急に抱き着いてきた。
「…しばらくこうさせて。」
「あすかって意外とツンデレなの⁇」
「そんなんじゃないから!!」
しばらく抱き締めると、落ち着いたらしく
ありがとう、と言って歩き出した。
あすかがいきなり走り出したから、
楽たちとは離れ離れになってしまったが、
2人でいれる時間が、すごく幸せだった。