第5章 streetPass
天side
あすかの手を引っ張って化け屋敷の列に並んだ。
そこまで並んでいなかったのと、ペースが速かったので
すんなりと入れた。
中は思ったより暗くて、あすかはずっと無理無理無理…と呟いている。
そんなに怖いの⁇と思い、
「怖かったら手繋ぐ⁇」
冗談で言ったつもりだったけど、
あすかは相当怖いのか、
「…うん。」
ギュッと手を握ってきた。
…不意打ちはやめてほしいんだけど。
「あ、お化け」
「!?!?!?!??」
楽が言った嘘を間に受けたあすかは
声にならない悲鳴をあげて抱きついてきた。
「天たおして!!!!!」
いやどう倒せと。
楽は声を抑えて笑ってる。
「大丈夫だから、いないよ。」
と言うと良かったあ、と離れてしまった。
可愛いな、なんて思ったのは心の隅に閉じ込めた。