第5章 streetPass
「本番いきまーす!」
何も解決しないまま、本番が来てしまった。
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「___くん。」
「…おまっ、声___」
少女が声を取り戻したことを、男の子は知る。
「あのね、ずっと伝えたいことがあったの。」
今までの気持ちを、歌にして届ける。
男の子への、恋心。
さっきまで、どんな風に歌えばいいのか悩んでたのが嘘みたいに、
歌い出すと自然と少女の気持ちが流れ込んできた。
…ああ、きっと、恋をするってこんな感じなんだな。
__『大事な人を思い浮かべて歌ったら、
気持ちが自然と歌に伝わるのよ。』___
昔、お母さんにそう言われたことを思い出した。
頭の中には、天が浮かんだ。
天を想って、音を奏でていくと、
天への気持ちが、溢れて止まらなかった。
歌い終われば、今度は言葉にして、伝える。
「___ずっと、好きだったよ。」
「_____ああ、俺も。」
気持ちが一つになった2人は最後、
____唇を交わす。
こんな時に限ってなんで、天が頭の中に浮かんで消えてくれないんだろう…