第3章 担任の授業見学に巻き込まれたのですが。
「まあ近年は人間社会の発達によって住み良いように人型に化けてる子ぉのが多いんやけどね」
そうだなぁ。僕のクラスの子達も動物妖怪だったり無機物妖怪だったりするけど、ほとんどが人の姿してるもんね。
勿論、そうじゃない子もいるけど。
(なるほど。妖怪も色々種類があるのか...。人間で言うと日本人とアメリカ人とインド人みたいな感じかな...。ワールドワイドだなぁ...)
人種みたいな感じってことなのかな。
とどのつまり、妖怪は妖怪だけど大まかに分けると三種類なんだね。ふむふむ。なるほど...?
(じゃあ、疫病神(佐野君)はどれなんだろう...)
あ、でも、そもそも疫病神がどんな姿してるのか知らないや。うーん、そうだなぁ。せっかくだから。
(狸塚君みたく動物になったらカワイイのに)
うふふと期待を込めて笑いながら佐野君を見てると、勢いよく飛んできたシャーペンが僕の額にスコーンと刺さった。
こっちを見ることなくヒットさせた佐野君は、顔が見えなくても分かるくらい鬱陶しがってるのがありありと分かった。
さらには。
「後ろからイラッとする視線を送るな」
の一言。冷たいなぁ。何もシャーペン投げなくても...。僕ドMじゃないんだからね!
でも、僕の方を見ずにヒットさせられるところが凄い。
この一連のやりとりをガン無視して、さらに黒板に書き進める神酒先生。ちょ、見んとこ、って!ボソッ言ったの聞こえてますからね!酷い!
「で、妖術を使う奴ん中にも色んな種類があるんやけど」
ある程度書き終わると生徒たちの方に向き直り、説明を続ける神酒先生。無視は良くないぞっ!
明らか完全に無視を決め込む神酒先生に、僕も諦めることにした。いいもーん。ここからは真面目あきになるんだもーん。
ぷうと頬を膨らませ、ちょっと拗ねたふりをしながら教科書を見る。隣りのページには、可愛い妖怪のイラストが説明とともに書かれていた。
無機物妖怪や、動物妖怪。人型妖怪のなかにも妖術を使える使えないがあるんだね。なるほど。
そしてそれもまた、三種類に分けられると。
まず、その一。
変化するときに袋をかぶる狸塚君、泥沼を発動したり泥団子を作るため手袋を取る泥田君。彼らのように特定の動作をして妖術を使う動作タイプ。
今から妖怪使うよって分かりやすいタイプだね。僕の場合それに気づくことなく化かされるんだよね。