第15章 8月 II
話をしているうちに看護師に呼ばれ、青峰は診察室へ入って行く。
その後ろ姿をしっかり見送ったアリスは桃井に現状報告のメッセージを送った。
一人で病院に行けないなんて、どこまで子供なのだろうか。
だからきっとあんなに横暴な態度を取ったりしてもどこか許されてしまうし、みんな心配してしまうのだろう。
アリスもそんな一人だ。
『どうだった?』
「念の為にレントゲン撮るとよ。」
そっか、とアリスは微笑んだ。
診察結果は異常無し。
今の痛みはすぐに治るとのこと。
しかしだからといって無理を続けたら本当に故障してしまうと注意を受けた。
『じゃあ行こうか。』
「どこ行くんだよ?」
『プール!』
その約束はまだ生きていたのか、と青峰は嬉しそうに笑う。
ここからは本当にデートだよ、とアリスは言った。
8月のプールは家族連れやカップル、友達同士のグループで賑やかだ。
入り口で別れて中で 落ち合う約束をした。
病院に連れて行かれた事は予定外だったが、あの場で怒って帰らなくて良かった。
着替えを済ませ中に入れば楽しそうな声で溢れていた。
目的の姿を探す。アリスの水着姿は黒子から送って貰って見ていた。
あの時と同じ物ならば、スポーティなセパレートタイプ。水着というより、トレーニングウエアに近いものだった。
それでもアリスの整ったボディラインを見せるには十分なものだ。
「…マジかよ。」
この可能性は感じていた。
でも気が付かないふりをしていた事を激しく後悔していた。
先に手を打ってなんとかアリスと二人で別の場所に行く事だって出来たはず。
人よりも頭一つ大きな赤髪がニコニコとアリスと話している。
『みんな一緒の方が楽しいでしょ!』
青峰に気が付きそう言ったアリスは満面の笑みで、火神も青峰も仕方ないとこの状況を受け入れた。
大きなパラソルの下、先に来ていた三人が場所を取っていてくれたお陰で人混みの中を歩き回らなくても済んだ。
荷物番で残っていた黒子と桃井が手を振っている。
みんな揃ったし遊ぼう!とはしゃぐアリスは水着の上に着ていたパーカーのジッパーを下げた。
「「なっ!」」
躊躇なく脱ぎ捨てたアリスに、火神と青峰は顔を赤く染めた。
合宿の時とは違う、大人っぽいビキニ。