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君と僕とが主人公LS

第14章 8月


『私は帰ろうかな、なんか疲れちゃった。』


だから2号は私が連れて行くよ、とアリスは言った。
その笑顔に違和感を感じた黒子は、このまま彼女を一人にしてはいけない様な気がした。


「やっぱりダメです。一緒に行きましょう。」

『え?』

「僕の為にもそうして下さい。」


黒子はそう言うとアリスの手を握った。
誠凛高校体育館。異質な存在が二人。
一人は青峰と喧嘩して黒子に泣きついてきた桃井さつき。もう一人はアリスだ。
黒子達に話を聞いてもらった事で落ち着きを取り戻した桃井は体育館の隅で2号と戯れるアリスをチラッと見た。


「テツ君、あの子は?」

「アリスさんですか?」


その名前には覚えがある。
青峰が気にしていたから調べた。
日本人女子中学生で本場アメリカでバスケをしていたプレイヤー。
中三の時に怪我で引退して、それ以降の事はわからなかった。
まさか帰国していて誠凛にいたなんて。


「火神君がいるから、かな?」

「それもあるかもしれません。でも…。」


アリスさんはバスケ部員じゃないですよ、と黒子は言った。
雨が上がり、黒子は桃井を送って行くと言った。
帰り支度を始めた桃井に声を掛けたのはアリスからだった。


『あの、さっきの話。青峰君はちゃんと病院に行きましたか?』

「え?」


青峰が肘を壊した事に気が付いたのは海常戦の翌日だった。
自分でやったにしては的確なテーピングをしている事に気が付いたからだ。


『ちょっと心配だったから、応急処置だったし。』

「あなたが?」


疑問に思っていた事がスルスルと解けて繋がって行く。
どこで知り合ったのかはわからないが、自分の知らない所で青峰は彼女と会っていたのだろう。
そう思えば何となく、もしかしたらあの時、と思える事が多い。
練習をしたがらない彼が、気まぐれにロードワークを始めた事も、試合になるとどこか楽しそうな顔をする様になった事も。
初めはかつてのチームメイト達との試合が楽しいのかと思っていたが、それだけでは無かったことに気づいた。


「私、桃井さつき!大ちゃんの為に協力して欲しい!」

『だいちゃん?』


聞けばちゃんと病院にも行ってはいないし、練習もサボってばかり。
欠場させられたと荒む一方でもうどうしていいかわからない、と。
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