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君と僕とが主人公LS

第65章 新8月 Ⅵ


「How did you feel when you were hugged by a monkey?」
(猿に抱かれた感想は?)

「I tried not to touch the ball again.」
(二度とボールに触れない様にしてやったろ。)


試合会場に入ってすぐ、聞きなれない英語の会話が耳に入る。
そうなるのではないか、と安易に想像出来る事だった。


「気にするな、無視してろ。」


それが誰に向かって発された言葉なのか理解出来る火神はアリスに寄り添う。


「Is he your new boyfriend?」
(あれが新しい彼氏か?)

「You've got to be kidding!」
(冗談だろ!)

「You can have sex with monkeys, you're a slutty woman.」
(猿ともヤれる淫乱女だ。)


完全にアリスを嘲笑う会話。
火神は、今にも殴りかかってしまいそうな顔をした。


『A coward who can only attack with words.(言葉でしか攻撃できない臆病者。) Don't think you can beat my precious friends.(私の大事な仲間達に勝てると思うなよ。)』


そう言うと、アリスはハンドサインで「くたばれ」と笑顔と一緒に送った。
流石にそれは、やり過ぎだ!と火神は慌てて手を下ろさせた。


「君は強いな。」

『え?』


ベンチにタオルやドリンクボトルを並べていたアリスに、アップを終えた赤司は声をかけた。
さっきのやり取りを見ていたらしく、アリスの強気な返答に思わず笑ってしまった、と。


「君が過去に何があったかは詮索はしない。けれど…。」


次に君にあんな言葉を向けられたら、俺が許さない。
口調はいつもと変わらないが、その一言にアリスはゾクッと冷酷な物を感じた。
観客も一杯に入り、会場内の大きなモニターに一人一人の紹介ムービーが流れ、MCの派手な紹介の後両チームの選手がコートに立つ。
先発は、赤司、緑間、紫原、青峰、黄瀬の5人。
それぞれがその凄さを披露する様な、一見したらVS有利に見える試合。
第一Qが終わり、ベンチに戻った5人にドリンクを渡す。
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