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君と僕とが主人公LS

第55章 新 6月


本人を前にしていたらこの状況を指差して笑うだろうが、そうではない今は、そこまで彼女に信用されている火神に嫉妬に近い感情を抱く。


「俺が泊まらせろって言ったら警戒すんだろ?」

『そんなことないよ?青峰君だっていつでも歓迎するよ?』


練習をサボって逃げてくるわけじゃないならね、とアリスは悪戯っぽく笑った。
なんなら今から一緒にお泊り勉強会に参加する?と誘われてた青峰は、ゲェっと表情を歪めて見せた。
そうこうしているうちに可愛らしい外観のアパートが見えてくる。


「んじゃ、またな。」

『うん、ありがとう。』


またね、と手を振りながら小走りにアパートへ向かって行く後姿を見送り、明かりの灯った部屋に彼女が入ったのを見届けた青峰は踵を返して自宅へと向かった。


『ただいまー!』

「おかえりなさい。」


帰ってきたご機嫌なアリスを迎えたのは黒子だった。
楽しんできましたか?と笑顔で聞かれた彼女は、うん!と溢れんばかりの笑顔で頷いた。
ご飯の前にシャワーを済ませてくる、とリビングには寄らずにバスルームに飛び込む。
湯気を外に運ぶ換気扇からふわりと火神の作っているのだろう、美味しそうな匂いが入って来て髪を洗う手が速くなる。
沢山走って飛んで火照っていた身体は、沢山の泡とたっぷりのお湯でまた別の火照りに変わった。


「アリスー!まだかー?先に食っちまうぞ?」

『もう出るよー!』


火神の声にすぐさま返事をしたアリスは、バスルームを飛び出し急いでバスタオルを手に取る。
まだポタポタと雫の溢れる髪をわしゃわしゃと擦る。
雫が落ちなくなり、身体にくるりとバスタオルを巻き付けた。
そのままバスルームを出て、二階の自室に向かう。
急いでクローゼットから新しい下着とワンピースにもなる丈の長いTシャツを取り出し身に付ける。


『お待たせ!』


リビングのドアを開けるとトマトの酸味と沢山の野菜やハーブの煮込まれたいい匂いに、グゥっとアリスの腹の虫が鳴いた。


「はやく食おうぜ。」

「火神君は程々にして下さいね。」


満腹になったら勉強する前に眠くなってしまいますよ、と黒子はシレッと一言。
アリスのリクエストしたミネストローネのたっぷり入ったスープマグ。
フライパンに一つしか入らないだろう大きさのハンバーグ。
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