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君と僕とが主人公LS

第54章 新 5月 Ⅴ


「かがみんとは幼馴染なんでしょ?」

「あぁ、そうだけど。」

「ならやっぱり!」


火神を除けばアリスが下の名前で呼ぶのはきーちゃんだけだよ、と桃井は得意げに言った。
日が伸びてきたと言っても、五月の夕方は肌寒く感じる。
青峰の様子を見に行くと言った4人と別れいつもの公園で1人待っていたアリスは、ベンチに座り退屈だと足をブラブラさせていた。
てっきり火神も行かないと言うと思っていた。しかし、一言いってやる!と彼も一緒に行ってしまった。
こんなに待つ事になるなら、ボールを持って来れば良かったなぁとゴールの方へ視線を向けた。
次の瞬間、風を切る様な音と一緒に飛んできたボールは、真っ直ぐにゴールに吸い込まれる。


『もう!遅い!』


火神と黒子が来たのだと思ったアリスは立ち上がって固まってしまった。
シュートを打ったのは二人のどちらでも無かったのだ。


「約束していた覚えはないんだけど。待たせてしまったなら謝らないといけないね。」

『セイ君!』


どうしてここに?と嬉しそうに聞いたアリスに、ゴール下に転がるボールを拾い上げた赤司はポンポンとゆっくりとドリブルしながら近付く。


「ちょっと父に呼ばれて実家に戻ったついでにね。君にお土産を届けに行くつもりだったんだ。」

『私に?』


そうだよ、と優しく笑みを浮かべた赤司は公園の入口に停まっている高級車の方へと向かって行く。
おいで、と紳士的に手を差し出され素直にそれに従ってしまう。何故だか赤司には逆らえない様な雰囲気がある。けれどそれは嫌なわけではない。
たまたま通りかかって公園にいたアリスを見つけ車を停めさせたのだと赤司は言った。
車の前には初老の男性が立っており、彼が戻ってきたのを見ると会釈しながら後部座席のドアを開けた。
赤司は彼にボールを渡すと、座席に置かれていた紙袋を手に取る。


「この前、美味しいと喜んでいただろう?」


お土産だよ、と差し出された紙袋には達筆過ぎて読めない筆文字で店の名前が書かれていた。


『あのお豆腐?』


赤司と一緒に食べたランチを思い出し、パァっと笑みを浮かべそれを受け取ったアリスは、ありがとうと溢れんばかりの笑顔でお礼を言った。


「喜んで貰えてよかったよ。」

『凄く嬉しい、ありがとう!』
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