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君と僕とが主人公LS

第54章 新 5月 Ⅴ


桃井家のリビングで落ち着かない様子の火神とは逆に妙に慣れた様子の黄瀬が、桃井と彼女の母親が用意してくれた紅茶を飲む。
ガタイの大きな男子には似つかわしくない、可愛らしい装飾の施されたティーカップ。大きな手にそれを持つとすっぽりと隠れてしまう。
それと一緒に出されたマカロンやフィナンシェ等の可愛らしい包装の施された洋菓子。


「なんでお前、平気なんだよ?」

「あー俺、姉貴が二人いるんスよ、だからこういうの慣れてるんス。」


モグモグとお菓子を頬張りながら、黄瀬はニコニコ笑っていた。
女の子らしい装飾の施された部屋も、可愛らしい家具も出された食器や菓子も、普段の自分の生活には無いものばかりで火神は落ち着かない。


「…黒子一人で大丈夫なのか?」

「今の大ちゃ…青峰君とちゃんと話せるのはテツ君しかいないわ。」


だから待ってましょ、と桃井も二人と一緒に腰を下ろし紅茶に手を伸ばした。
そのまま特に何かを話す事もなく、火神は相変わらず落ち着きなくイライラしているような雰囲気を出しているし、黄瀬はマイペースに桃井の物だろう女性向けのファッション雑誌をめくっている。


「さつきー、黒子さんいらっしゃったわよ。」


母親の声に桃井は嬉しそうにパタパタと玄関まで迎えに出て行く。
黒子が来たと言うことは、青峰も一緒なのだろうかと火神は表情を引きつらせた。
しかし、桃井と一緒にリビングに顔を出したのは黒子だけだった。
それを見て黄瀬はダメだったのか、と溜息をつく。


「黒子っちでダメだともうお手上げっスね。」

「いえ、きっと大丈夫だと思います。黄瀬君と火神君には申し訳ないですが。」


なんで俺達に申し訳ないんだよ、と聞こうとしたがわかってしまった。
きっと青峰は今、彼女と一緒にいるのだ、と。
俺も行くと言い出すかと思ったが、二人は今は我慢しているような顔をしていた。


「ねぇ、でもアリスちゃんってきーちゃんのことが好きなんだよね?」

「はぁ?!」


桃井の言葉に火神は立ち上がってしまう程に驚く。
自分を含め、彼女とバスケを通じて知り合った連中がみんなアリスに好意を持っている事はあからさまだ。
しかし、当の彼女自身は特別にこの人という一人を決めていないと思っていた。
それは名前を上げられた黄瀬自身も同じだったらしく、目をまん丸くしていた。
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