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君と僕とが主人公LS

第49章 新 4月 II


みんなもありがとう、と言ったアリスは素直に黄瀬の手に捕まって立ち上がった。
自分に比べると小さいし軽い、それはいつも感じる事だが今日の彼女はこそに更に儚さの様なものも感じてしまう。
手をしっかり繋いでなければ何処かに消えてしまいそうな雰囲気だ。
だから熱のせいか普段よりも暖かいアリスの手をしっかりと黄瀬は握った。
力が込められた事に気が付いた彼女は、完全に自分を預ける。


「アリスっちに甘えられるの、なんか嬉しいっス。」


階段からは一人で大丈夫だと言ったアリスは、ゆっくり自室に向かって行く。
部屋のドアが閉まる音が聞こえるまで、そこで見守っていた黄瀬は嬉しそうな顔をしていた。
いつも彼女に甘えていたのは自分だった。けれど今日は違った。
弱っている事を喜ぶ様で不謹慎だが、それでも彼女に頼られた事が嬉しくて仕方がなかった。
残っていた果物を小さな更に取り付け直し、タマゴ粥は一食分ずつ盛り付けた。
彼女が起きてまた食べる時に電子レンジで温めれば済む様に、ラップをかける。


「黄瀬君、青峰君、そろそろ片付けて下さい。」


帰りますよ、と黒子に言われた二人は夢中になっていたゲームを渋々やめる。
本当にお前等、何しに来たんだよと火神は愚痴る。


「んじゃまたな。」

「火神君、帰らないんですか?」


先に外に出て行った青峰と黄瀬。
一緒に玄関まで来たが荷物も持っていない事を不思議に思ってはいたが、見送りだけだとは思わなかった。


「今日は心配だからな、もう少し様子見てからにするよ。」

「…アリスさんに変な事しないで下さいよ。」

「しねーよ!!」


思わず出してしまった大声に、ハッと彼女の眠っているだろう二階へと視線を向ける。
第一、彼女の家に泊まる事は初めてではない。そもそも火神とアリスは何年も同じ家で暮らしていた過去がある。


「二人には上手く誤魔化しておきます。」

「あぁ、悪いな。」


それでも外にいる二人がそれを知ったらきっと自分も泊まると大騒ぎをするだろう。
そうなってしまったらアリスも寝ていられなくなってしまう。
静かに閉まるドア。
賑やかだった声が無くなり、新しいアイス枕を手に火神はアリスの部屋に向かった。


『…うつっちゃうよ?』


起きてたのか、起こしてしまったのか。
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