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君と僕とが主人公LS

第49章 新 4月 II


バスルームから綺麗なフェイスタオルを持ってきた火神は、冷凍庫からアイス枕を取り出しそれを包む。
トレーには買ってきたスポーツドリンクとゼリー、スプーンが乗せられていた。
それ等を手にリビングを出て行く。


「…火神君がお母さんに見えました。」


黒子の呟きに、黄瀬と青峰は声を堪えて笑った。
遠くで誰かに呼ばれた気がして、ゆっくりゆっくり意識の糸を手繰り寄せる。


「…よぅ、目ぇ覚めたか?」

『…青峰くん?』

「大丈夫か、お前。」


大きな手がゆっくりと伸びて来て額に乗せられた。
きっと暖かい手なのだろうけれど、今の彼女にはそれすら心地よい。
まだ熱ぃな、と離されてしまう事がほんの少し淋しい。


『なんで、いるの?』

「なんでって…。」


暇だったから来た、と言った青峰にアリスはふわりと微笑み『ありがとう』と言った。
暇だったというのは本当の事だろうが、お見舞いに来てくれた事には変わりは無い。
病気になると気が弱くなる、だから独りぼっちだと思っていたアリスは青峰が近くに居てくれた事が嬉しかったのだ。


「今、火神がメシ作ってる。」


アイス枕がそろそろ溶け切ってしまう頃だから交換して来いと言われ、初めて入ったアリスの部屋。
つい、桃井の部屋と比べてしまう。
可愛いぬいぐるみもなく、女らしい装飾品もない。
けれどそれが彼女らしい気がした。


『タイガもいるの?』


下に黒子や黄瀬も居ることを伝えるとアリスは少し驚いてから、そっか…と一言。


「あー、あと。緑間と高尾も来るぜ。」


火神に頼まれた食材を買って来たのはいいが、彼が作ると言ったのはチキンスープ。
アメリカでは体調を崩した時はたいていチキンスープらしい。
それを聞いた緑間が「風邪の時はタマゴ粥なのだよ!」と追加食材を買いに出ている。
それを聞いたアリスは、自分がこんなにみんなに気にして貰えていたなんて、とじんわりと涙を浮かべた。
どうも弱っててダメだね、と笑った彼女に青峰の大きな手が再び伸びる。


「お前、もう少し周りに甘えろよ。」

『うん、そうだね。』


優しく頭を撫でられ、くすぐったいとアリスは言った。
わかったなら着替えて降りて来いと言うと青峰は部屋を出て行く。
解熱剤のおかげか、朝よりもだいぶ体調が回復している。
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