第48章 新 4月
「じゃあアリスちゃん、小金井君、水戸部君、降旗君で第一陣ビラ配り、ゴー!」
その日、男子バスケ部の円陣から美少女が生まれた!と妙な噂が流れた。
普通ならば勧誘する側が必死に配るフライヤーが、欲しいと近付いてくる新入生の多さにあっという間に用意しておいた分が無くなってしまう。
『私、追加コピーしてきましょうか?』
「ダメよ!アリスちゃんはそのまま居るだけでも十分に宣伝になってるんだから!」
じゃあ俺が、とフライヤー原本を手に河原はコピーをとりに行った。
結果、二桁の新入生の仮入部希望が集まった。そしてアリスのおかげか、在校生の中からも仮入部希望が相田の所に届いたらしい。
あとはこの中からふるいにかけて、本当に本気でバスケをやりたい新入部員を選ぶのみだ、と相田はニコニコだ。
体験入部からきっととんでもないメニューを考えているのだろう。
こんな風に相田が笑顔を浮かべている時は、部員達にとってはこの後とんでもない事が起きる予兆だ。
「あの。」
『んー?』
まだユニホーム姿のままブースの片付けをしていたアリスに声をかけたのは黒子だった。
「アリスさんのユニホーム姿って初めてじゃないですか。」
『そうだね!言われてみれば!』
練習試合に出させて貰う事はあっても、正式な試合には出られない彼女は、いつも練習着だった。
だから借り物だとしてもユニホームを着ているのは初めてだ。
黒子に言われそれに気が付いたアリスは記念に写真を撮って欲しい!と自分のスマホを出した。
その様子を見ていたバスケ部みんなが俺も、俺も、と集まってくる。
どうせ撮るなら、と最終的には全員でアリスを真ん中に集合写真まで撮ってはしゃいでしまう。
「そうだ!これ、鉄平に送っちゃおう!」
相田はメールに画像を添付して送信した。
「羨ましかったらはやく治して帰って来い」とメッセージを添えて。
『私もアップしちゃおう!』
アリスは嬉しそうに自分のSNSアカウントに『初ユニ』とハッシュタグまで付けて画像をアップした。
その夜、彼女の投稿を見た彼女に想いを寄せる彼等が激しく火神と黒子を妬んだのは言うまでもない。
「なっ!アリスっち、これは反則っスよ!」