第46章 新 3月 II
「さぁ、ラスト一戦。楽しもうや!」
『はいっ!』
T大主催のストバスイベントは、チームSmileの総合優勝で幕を閉じた。
満面の笑みで今吉、諏佐とハイタッチしているアリスの写真が大きく掲載されたローカル誌。
「見て!見てよ大ちゃん!」
「んだよ、うるせぇなぁ…。」
起きてよ、と寝転がっている青峰の体を揺する。
練習をサボっているわけでもないのに、ゆっくり寝てもいられないのかと青峰は愚痴る。
「これ、見てよ!アリスちゃんから何か聞いてないの?」
「あー?」
「今吉先輩達とストバスの大会出てたみたいだよ?」
なんだよそれ!と飛び起きた青峰は、勢い良く桃井の手からそれを奪い取った。
確かにそこにはアリスが大きく写っていた。
写真の横には、先週T大主催でストバスイベントが開催され、18歳以下の男女ミックスチームが優勝したと書かれていた。
チームメンバーまでは細かく書かれてはいないが、見間違える訳がない。
「今吉さん、やってくれんじゃねぇか。」
「大ちゃん?」
卒業直後にとんでもないお土産をくれたものだと青峰はいきりたつ。
それに恐らくこのイベントの後もいつもの公園で会っていたはずなのに、アリスから何も話を聞いていない。
特に隠していたわけではないだろうが、気分は良くない。
「明日は練習があるんだからちゃんと起きなきゃダメだよ?」
「わーってるよ。」
「本当にわかってるの?」
わかった、わかった、と桃井にもう出て行けと邪険に扱う青峰にもう!と頬を膨らませて彼女は出て行った。
同じ頃、同じローカル誌を見た誠凛バスケ部のみんなも驚いていた。
『…ん?にごぉ?』
早く起きて、とアリスの頬を舐める2号を優しく撫でる。
ふわふわで太陽の匂いがする2号を抱き締めると、ぼんやりとしていた意識もはっきりとしてくる。
『…っわぁ!寝坊したぁあ!』
春休みに入ったから、とスマホのアラームを解除してしまった事を後悔する。
今日は午前中にバスケ部の練習がある。しかし、時計の針は既に9時を回っていた。
ベッドから飛び起きたアリスを、2号は嬉しそうに追いかける。
バタバタと階段を駆け下り洗面所に飛び込んだアリスは、歯を磨きながら器用に髪を梳かす。