第45章 新 3月
木吉が抜けて新体制になったが、素早いパス回しと強い攻撃力を武器に、チームプレイを一番に考える彼等の基本スタイルは変わらない。
公式戦には出られないがアリスが正式に誠凛の一員になって数ヶ月。彼女の噂を聞いた他校からも練習試合なんだからとアリスの試合参加を望まれる事も増えてきた。
『この後ミニゲームです!』
生徒会の集まりでまだ顔を出せない相田からの指示を伝えたアリスは、マフラーの様に首に巻いていたタオルで自分の汗を拭きながら、分けられているメンバーを読み上げた。
ここからは自分はマネージャー業だ、とホイッスルを口に咥えたが、チーム分けの中に自分の名前がある事に気が付き、至極嬉しそうにビブスを取りに行く。
「同じチームですね。」
『よろしくね!』
黄色のビブスを着て集まったBチームには、一年からは黒子とアリス、河原と福田がいた。
二年からは小金井と土田が入る。
さて、このメンバーでどう攻めるかとワクワクしながらアリスは言った。
『最初は私は控えかな。』
途中で黒子と交代するのがベストだろう。
伊月のイーグルアイとは黒子のミスディレクションの相性は悪いし、アリスのトリックプレイも何度も通用しない。
それに日向のスリーも止めて火神も抑えなければならない。
これはちょっと大変そうだね、と苦笑いを浮かべる。
「まぁ、やれる事やろーぜ!」
小金井の明るい声に、ハイ!と一年は元気に答えた。
それを合図にアリスはコートの外へ。胸にぶら下げていたホイッスルを吹いた。
激しく鳴るスキール音、試合の経過を細かくメモに取りながらも自分の入るBチームが勝つにはどうするべきかを考えていた。
思っていた通り、伊月に黒子は大分抑えられてしまっているし、土田と福田のダブルチームでも火神を止められない。
バインダーの端をペン先でトントントントンと叩く。
これはアリスが考え事をしている時の癖だ。
「…どう見るかね?」
『リコ先輩!』
いつからそこに居たのか、アリスの取ったメモと現在進行形の試合を見て相田はニヤッと笑った。
どうやら相田にはBチームを勝たせる策があるらしい。
丁度第二クオーターが終わり、一旦みんなコートから出る。
この後は黒子とアリスが交代する。