第41章 1月 Ⅲ
「いや、久しぶりに実家に帰るよ。」
『近いの?』
「迎えの車を呼ぶから問題ないさ。」
なら大丈夫だね、と言ったアリスはチームメイトの三人を見送りに行く。
一通り片付けを終えた火神もその後を追い、ちらっとそれを見た黒子も静かに腰をあげる。
「じゃあまた明日な!」
「今日は本当にありがとうございました!」
火神の後ろから声がした!とアリス以外が打ち合わせていたかの様に揃って驚いた。
そんな些細な事ですら、今日は楽しく感じてしまう。
「じゃあな!」
『気をつけてね!』
「明日、練習で会いましょう!」
ドアを閉めた火神に『やってよかったね!』とアリスが小さく呟いた。
今日のパーティー、言い出したのは火神だったらしい。
「火神君、アリスさん。最高の誕生日、ありがとうございました。」
『どういたしまして。』
それにまだ終わりじゃないでしょ、とアリスは笑った。
賑やかだった火神家のリビングが静かになった。
はしゃぎ疲れてしまったのか、黒子はソファーで眠ってしまい、起こしてしまうのは可哀想だと、静かに桃井は青峰を連れて帰ってしまった。
赤司と黄瀬も既に帰っており、そろそろアリスも帰ろうかと思っていた。
「泊まってくか?」
『そうしたいけど帰るよ。明日の用意とか持って来てないし。』
そっと黒子にブランケットをかけたアリスは、そのままの足で玄関へと向かった。
「気をつけて帰れよ?」
『大丈夫!また、明日ね!』
トントンと爪先でブーツにしっかり足を入れたアリスは、元気に手を振る。
「あ!」
『涼太?』
エレベーターのドアが開くと、黄瀬が満面の笑みで駆け寄って来た。
「待ち伏せっス。一緒にかーえろっ。」
『一緒にって。方向違うじゃない?』
今からでは海常高校の学生寮の門限には間に合わない為、今夜は実家に帰ると黄瀬は言った。
しかし、その実家にも自分が今から帰る事は伝えていないらしい。
そんなテキトーで大丈夫なのかと言えば、ダメだったらアリスっちの家に泊めて、と黄瀬は言った。
「本当は火神っちの家に泊めて貰うつもりだったんスけどね。」
『なら戻る?』
「夜道をアリスっち一人で歩かせるわけにはいかねーっスよ。」