第41章 1月 Ⅲ
そういう所だけは王子様だよね、とアリスは笑った。
前に姉がいると聞いていたが、その影響からなのか時々、黄瀬は驚く程にかっこよく思える時がある。
『涼太ってさ、天然タラシだよね。』
「なんスかそれ、褒めてんの?貶してんの?」
『褒めてるの!』
それより足の具合はどうなの?と話題を変えた彼女に、黄瀬は苦笑いだ。
「まぁぼちぼちってトコっスかね。」
まだ他のチームメイトとは別メニューで調整中だが、バスケをする事に対してはもう問題ないと黄瀬は言った。
だから今日のストバスにも参加したし、思いっきりプレイした、と。
「アリスっち、本当に誠凛のマネージャーになったんスね。」
『表向きはね。』
「あ〜あ、俺も誠凛に行けばよかったなぁ〜!」
そしたらもっとバスケが楽しくなったのに、と残念そうに言う。
今からでも編入したら?とふざけて返したアリスに、急に黄瀬は表情を変えた。
「でもやっぱ俺は海常でよかったっス。海常に行ったからこそ、今があるんスもんね!」
『…そうだね。』
冷え込み始めた道を、二人は楽しく話しながら歩いた。