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君と僕とが主人公LS

第41章 1月 Ⅲ


火神が帰国してしまった後だったし、寂しさをバスケで少しでも紛らわせようとしていた頃だ。
氷室とは通う中学が違い、日本人の友人が居なくなってしまった頃、短期留学で来たのが赤司だったのだ。
当然、同じ日本人のアリスが彼のナビゲーターに選ばれるのは必然。


「それ、この頃か?」


そう言った青峰の手には古い月バス。
どうやら火神の私物を漁っている時に見つけたらしい。
それには「東洋の魔女、如月サラブレッドの一日」とアリスを紹介する記事が大きく掲載されていた。


『What's?!』(なにこれ?!)


どうやらアリス本人は日本で雑誌に載っていた事を全く知らなかったらしい。
バッと青峰の手からそれを取り上げたアリスは、顔を真っ赤にして今までに見た事無い程に動揺している。
ちょっと冷やかしてやろうかと思っていたが、想像以上の慌てぶりにそんな気も無くなってしまう。


『No way!』(ありえない!)

「なんだよ、本当に知らなかったのか?」

『日本人が珍しいって何度か写真撮らせてって言われた事はあったけど…。』


地域密着の地方新聞的な物だと思ってたの、とアリスは言った。
今と対して変わらないが、ちょっと幼さの残るアリスがキラキラの笑顔でバスケをしているスナップが何枚も載っており、そんな彼女の所属チームだと「Bandersnatch(バンダースナッチ)」の他のメンバーとの集合写真も載っていた。
男女ミックスチームだと紹介されていたが、女子はアリスだけ。
他のメンバーは彼女と同世代なのだろうが、一回りも二回りも大きな男子ばかり。


「おーい、アリス!アレ出すぞ!」

『はーい!』


パーティーも後半。
火神はケーキを出す用意をしようとアリスを呼んだ。
みんなには見せないでよ!と念を押して青峰にそれを返した彼女はパタパタとキッチンへ向かった。


「…見せられるわけねぇだろ。」


そもそもこれは火神が持っていたものだ。
それにこんな綺麗な笑顔のアリスを、他の連中に見せられるわけがない。
このまま知らんぷりして持って帰ってしまおうかと思う程だ。
きっと火神も同じ様な想いからこれを持っていたに違いない。
何度も開いてアリスの取り上げられているページを見ていた事は明らかだ。
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