第41章 1月 Ⅲ
なのに結局、バスケをして笑っている。
『とりあえず、青峰君ありがとうね。』
「何がだよ。」
『私にまたバスケをやろうと思わせてくれた事。』
だから今、毎日が楽しくて仕方がないとアリスは言った。
翌日、アリスは午前中からケーキ作りに励んでいた。
料理は割と得意だが、ちゃんとしたデコレーションケーキは作った事がない。
スマホの画面には、スポンジケーキのレシピ。失敗してもいい様に、材料も多めに用意した。
メイン会場の火神家のキッチンはきっと今頃、それ以外の料理の用意に使われているだろう。
今回はあくまでも一年が中心に企画したパーティーだ。
福田、河原はそちらで会場の飾り付けをしている。
「アリスちゃん、イチゴ買ってきたよ。」
『ありがとう、ふーり(降旗)。』
ケーキ班のアリスと降旗は如月家のキッチンで慣れない作業に奮闘していた。
ゆっくりと降旗のかき混ぜる生地の中に、アリスがココアを振るい入れていく。
黄色かったそれが見る見るチョコレート色に変わり、二人はやった!と微笑む。
プレーン、ココア、抹茶、イチゴ、後は本日の主役黒子を思わせる青いスポンジが焼きあがれば、ケーキの土台が完成する。
ブルーベリージャムと絶妙な量で混ぜたレモン汁が偶然にも綺麗な色のスポンジを作ってくれた。
それを切って模様になる様にボールに敷き詰めクリームを挟み、またスポンジを重ねる。
ボール二つ分を完成させて、あとはそれを繋いで円形に仕上げた。
二人が目指すのはバスケットボールのケーキらしい。
「やったね!これなら大丈夫だよ!」
『仕上げのデコレーションはタイガの家でやろう!』
つなぎ目のチョコレートが固まり、しっかり円になったカラフルなスポンジケーキを前に、二人は大喜びだ。
初めて作ったにしては、かなり上手に出来ている。
あとは表面にキャラメルクリームとチョコレートクリームで、より、ボールらしくデコレーションを施すだけだ。
「黒子、絶対驚くぞ。」
『そうだね!切ったらカラフルだし、インスタ映えもするよ。』
アリスはそう言うと、とりあえず完成したそれを写真に撮り、火神のスマホに送信した。
すぐに「perfect!」とニコニコマーク付きの返事が届き、アリスと降旗はハイタッチをした。