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君と僕とが主人公LS

第38章 WC Ⅳ


「凄いな、彼。」


火神の猛攻をブロック、五人抜きをあっさりとやってのけた赤司のシュートがネットを揺らす。
しかし、誠凛は、火神と黒子は全く諦めてはいない。
お互いにカバーし合う形で赤司を止めた二人は、そのままの勢いでどんどん点差を詰めて行く。
なんとか10点差にまで追い付いた所で、洛山のタイムアウト。


「まるで別のプレイヤーみたいだな。」

『うん、あんなパス受けてみたい。』


タイムアウト後、勢いを取り戻した洛山は更に点差を広げていく。
誠凛は全員が限界に近い状態だった。
そのせいでパフォーマンスも落ちてきている。
それに比べて洛山は体力にまだゆとりがある上に、赤司の力で今まで以上にいいプレイが続いている。
もはや万事休す、誠凛の追い上げもここまでかと、その場にいたみなが思い始めたその時だった。
観客席から送られる声援。その声に消えかけていた戦意が再び燃える。


「Do not give up your dream!アリスを泣かせるのは許さないぞ、タイガ!」(夢を諦めるな!)


立ち上がりはしなかったが、克哉までも声を上げる。
既に涙目になっていたアリスも必死に声を上げた。


『黒子君!タイガ!Never give up!』(諦めないで!)


勢いを取り戻し、流れを引き寄せ始めた誠凛だったが逆転するには時間が足りない。
しかし、延長戦になってしまったらここまで全力で戦ってきて既に体力の限界をみんな超えている誠凛では勝ち目はない。
一人のスーパープレイヤーだけの力ではなく、バスケはチームプレイだと見せつけるような見事な連携プレイだ。
そして、このプレイが勝敗を決める事になるだろう。
外れるとわかっているフリースロー。


『…信じてる!』


アリスの小さな呟きは、火神の押し込んだダンクの音と試合終了のブザーにかき消された。
ウインターカップ、誠凛高校優勝。


「…このまま帰っていいのか?」

『いいに…』「いいわけないっスよ。」


会場を後にする観客達の波に乗って歩いていた二人の前を塞いだのは黄瀬だった。


「なにやってるのだよ、如月。」


彼の後ろには呆れた顔をした緑間もいた。


「もう!アリスちゃん、控え室はあっち!」


人の少ない通路を指差して桃井は言った。その隣では青峰も早く行けと手を動かす。
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