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君と僕とが主人公LS

第36章 WC II


「大丈夫っスよ、アレックスさんもアリスっちもあんなヤローにはやらねぇっス!」


だからそんな顔しないで笑顔で応援してと黄瀬は笑いアリスの頭を撫でた。
海常と福田総合学園の試合開始が近づいているのにまだアリスは戻って来ない。
きっと誠凛のみんなと合流して、そっちで一緒に見るんじゃない?とどこか落ち着かない青峰を宥めるように桃井は言った。


「あ〜ぁ、私も誠凛さんと。ってかテツ君と一緒に見たかったなぁ〜。」


飲み終えた空き缶を見事にゴミ箱にシュートした青峰は、小さく舌打ちをした。
不機嫌なのはアリスが戻ってこない事だけが理由ではない。
今さっき、桃井から気に入らない奴の名前を久々に聞かされたからだ。
中学の頃とは見た目も派手に変わっているが、人間としての中身はまるで変わってはいないらしい。
味方すら押しのけて攻め上がり、チームメイトに向けて手まで上げる。
確かにバスケの腕はあるのかもしれないが、人間性が最悪だ。


「久々だったのに、こんな事をさせてすまないね。」

『大丈夫?』


カバンから出したハンカチを濡らして戻ってきたアリスは、氷室の顔を優しく拭った。
火神はチームメイトに心配をかけさせるな、と先に戻らせた。
アリスも一緒に戻れと言ったのだが、自分は氷室の手当てをすると言い張った。
医務室に行けばトラブルが露呈してしまう。
だから氷室は絶対に行かない、と言い張る。


「アリスも戻りなよ、黄瀬君の応援しなきゃ、だろ?」

『でも…。』

「大丈夫、お兄ちゃんを信じなさい。」


な、と氷室はアリスの頭を撫でた。
それは昔と変わらない、優しくて大きくて、バスケが好きな兄の手だった。


『タツヤ、また昔みたいに三人でバスケしたいから。怪我、ちゃんと治してね!』


ハンカチを渡すとアリスは、グッと拳に力を込めて立ち上がった。
急いで会場に戻ったが、試合は既に前半終了間近。


『…なに、これ。』


試合のスコアは想像していたものと違い過ぎてアリスは言葉を失う。
海常が、黄瀬が負けるわけがない、そう信じていたからこそ、表示されているスコアを彼女は信じる事が出来なかった。
更には試合の流れは明らかに福田総合学園に向いている。
何かがおかしい。
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