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君と僕とが主人公LS

第36章 WC II


少し寂しそうにアリスの後ろ姿を見送っていた青峰を桃井はクスクスと笑いながら見ていた。


『アレックス!タツヤ!』


振り向いた二人に飛び付く様に駆け寄ったアリスは、『お疲れ様ー!』と最高の笑顔を浮かべていた。
氷室は飛び込んで来たアリスを両手を広げてしっかりと受け止めた。


「アリス?!見に来ていたのか?」

『夏以来だね、タツヤ。あの時はちゃんとお話出来なかったけど。』


氷室は気まずそうな顔をした。
彼女が日本に帰ると決めたと聞いたのは本人からではなく、なぜ、自分には何も話してくれなかったのか、とか、帰国してからも火神と同じ高校に通った事、あの時はただ、嫉妬していたのかもしれない。
バスケだけではなく、彼女の事も火神に取られた、と。


「あぁ、あの時は意地悪を言ってしまったね。許してくれるのかい?」

『あの時はちょっと怖かった。けど、逃げたのは事実だから。でも、もう逃げないよ。』


可愛い弟子が仲直りしたならそれは、それでよし、とアレックスは笑顔だ。
ここに火神も来て三人で和解してくれればいいのに、と思ってしまうのは欲張りだろうか。


「あ、イイ女が二人!」


赤いジャージを着た男が先に目を付けたのはここでは目立つアレックスの方だった。
咄嗟に氷室は自分の後ろにアリスを庇う様に隠したのだ。
小声で逃げろ、とアリスに伝えた氷室はアレックスに手を伸ばそうとしていた男を止めに入った。
しかし、それをよく思わなかったその男は躊躇なく氷室に殴りかかり鳩尾に思い切り蹴りを入れた。


『!?』

「タツヤ!」


苦しみ蹲る火神に駆け寄ったアレックスを片手で掴み上げた男は、駆けつけて着た火神にも噛み付く。


『やめてよ!』


アリスの悲鳴めいた声と同時、男に向かってボールが投げつけられた。


『涼太!』


大丈夫、下がっててと黄瀬はアリスにいつもの笑みを向けた。
そして緊張した話が交わされる中、それを誤魔化すかの様に黄瀬はワザとらしくアレックスに目を向けた。


「決めた、キセキの名前もそこの女も俺が貰う。」


そう言うと男は余裕の顔で何もなかったかのように立ち去ってしまった。
男の名前は灰崎。
黄瀬の前の帝光中一軍レギュラーだった男だ。


『…涼太?』
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