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君と僕とが主人公LS

第24章 10月 Ⅲ


今日もお留守番なの?とウルウルの目でこちらを見上げてくる2号には申し訳ないが、部外者がたくさん出入りする間は学校に連れて行く事は出来ない。


『いい子で待っててね。』


鍵を閉めて駅へと向かう。
隣を歩く青峰はどうするつもりなのだろうかと横目で見れば、大きく欠伸をしていた。
やはり練習に行く気は無いらしい。このまま自宅に帰るつもりなのだろう。
こっそり桃井か今吉に連絡した方がいいだろうか。


「次の休み。」

『ん?』

「…なんでもねぇ。」


何だったのかわからないまま、青峰は自宅に入ってしまった。
まったく、とアリスは学校へと向かった。


「如月さん、ちょっといい?」


教室に入るとすぐにクラスメイトに声をかけられた。
荷物を置いたアリスは彼女の所へと向かう。
そこには数人の女子がいた。


「あのね、如月さんにお願いがあるの。」

『なに?』

「今日は涼太君来るのかな?」


そういうことか、と彼女達のお願いが何なのかを察した。


『何も言ってなかったけど。聞いてみようか?』


これは一応の確認だった。
彼女達は最初からここに黄瀬をまた呼んで欲しいと言っているのだ。


「ほら、二日目はさあれがあるじゃない。だから…。」


確か文化祭二日目のメインイベントは全校生徒と来場者全員が対象のカップリングゲームだ。
一人一人に配られるカードは必ず対になるカードがある。それを見つけ出せれば勝ち、というゲームだ。
アリスはスマホを取り出し黄瀬にメッセージを送る。
すぐに彼から「OK♡行くよー!」と返事が来た。
それを聞いた彼女達は大喜びだ。
昨日と同じアリスのエプロンドレスに着替えていると、アリスにもカードが配られる。
そもそもこのイベントに参加する気のなかったアリスは、ポケットにそれをしまった。
クラスイベントは今日も好評でどんどんお客さんが入って来ていた。
忙しく接客にあたったアリスは、やっと今日のノルマをこなし教室を離れた。
黒子と火神は昨日の事もあり、今日はずっとバスケ部のブースに入っている。


「やっと見つけたっス!」

『黄瀬君?』

「なーんでこんな所に一人でいるんスか?」

『人が多いと疲れちゃうみたい。』


いつものアリスと何か違う。
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