第62章 【一松ルート】デカい猫保護しました

「一松、さすがに私もカラ松に任せきりにするのはちょっと……」

「え」

　以前は完全に任せきりだったナス子が、自ら掃除を手伝おうとしている！
　あんなにズボラでグータラ、出来る事なら一生ダラダラ過ごしたい、一歩も動きたくないようなナス子が。
　一松と言う存在が彼女を変えたのかと思うと、カラ松はキョトンとしながらもモヤモヤした気持ちが沸いてくる。

「はぁ？　こいつが好きでやってくれてるんなら好きにさせてやればいいんじゃないの？」

「いやいや、私だって変わらなくっちゃ！　脱女版おそ松……」

「なにそれ？」

「フ～ン、安心しろ……ブラザーアーンドシスター！　この埃ハンターカラ松が、この部屋の埃と言う埃を駆逐し、カラ松マジックで一瞬にしてこの部屋をビューティフルルームへとチェンジさせてやるぜぇ」

「一緒にやるよ、カラ松！　ていうか教えておくれ」

「ハハーン、お安い御用、さ！　洗濯物すら綺麗に畳めないナス子でも俺の手にかかれば……2時間くらい？　で、多分、恐らく、多少は出来るようになるさぁ！」

「あんた私の事絶対に馬鹿にしてるよね？！」

「ん～？　日頃の行いを胸にあてて聞いてみる事だなぁ、フフン」

「クソっ、ムカツクけど言い返せない！」

「…………」

　結局二人のやりとりを隅で座りながら、ミケ子と遊び眺めている一松。
　面白くはないが、ナス子本人が変わりたいと言うのなら止める事はない。
　カラ松に嫉妬は勿論ある。
　だがそれよりも大事なのはナス子の気持ちだ。