第62章 【一松ルート】デカい猫保護しました
「フッ……今日も来たぜナス子、さぁ今からこのカラ松が………いっいいいいいい一松ぅ?!」
「………よぉ、クソ松」
「あー、絶妙な……タイミング? アハハハ……ハハ」
そういえば自分のスケジュールだけはカラ松に渡していたという事をナス子は思い出す。
いくら彼氏が出来たと言えど、極度の面倒臭がりでズボラでグータラな所はなんら変わりはない。
それ故に、やはり家政夫の力は大きくついついカラ松に頼ってしまう。
だがこれはもう既に一松も知っている事で、本当は死ぬ程カラ松がここの家に足を踏み入れてくるのは嫌だと思う一松だが、二人の根城が綺麗になるなら利用してやれと思っている。
カラ松なら自分の恋人を無理に奪う勇気などないであろうという事を、なんとなく感じていた。
「上がっていいよ、俺達はあっちの部屋にいるから」
「あー……お邪魔、します………」
今まで沢山カラ松に甘えてばかりのナス子だったが、さすがにそろそろ自分の身の周りくらい出来るようにならなければと……。
遅い決意ではあるが、一松と言う大事な相手が出来たからこそよりその決意が高まった。
故に、いつもお世話をしてくれている主夫様様にお品物を添えつつ今までのお礼を述べながらもこれからは全部自分で頑張る!と成長を告げようとしたのだが。
一方のカラ松はそれが面白くない。
最初に一松に鍵を取られ、特別を失いやっと手に入れた好意を寄せる相手のスケジュールと自分を必要としてくれるナス子。
そこに幸せを感じていたのにその相手は弟の恋人になってしまった。
複雑な気持ちは残るが一度回り出した恋の歯車を無理やり止める事は出来ず、今後も掃除だけでもいいからやりたいと強くナス子に申し出た。
そんなカラ松の有難い申し出に困惑するナス子だったが、余程掃除が好きなのだろうと思い、結局の所甘えてしまっている。
よって、何故か今も通い埃キラーカラ松としてマンションに通ってくれているのだ。
不思議な事に焼きもちや独占欲を出してくる恋人一松もその事に関しては文句一つ言わない事に若干安心をしていた。