第62章 【一松ルート】デカい猫保護しました
「いや……普通に考えてもおかしいよねそれ? 幼馴染より彼氏の方が持ってて当然だよね? ていうかおそ松兄さんがそれ持ってたって何に使うつもりな訳」
「いや、特になんも考えてないけど……はぁ、彼氏、彼氏ねぇ」
「な、ななな、なに?」
先程まで寝ころんでいたおそ松だったが、一松に詰め寄られると起き上がり胡坐になる。
面倒臭そうに返事をしながら軽く溜息をついた。
「あのさー、俺たちが執念深いのはお前も兄弟なんだし知ってるよねぇ? 彼氏で? あるまじき事にこの長男様を差し置いて童貞まで卒業したからと言ってそんな理由だけで俺たちがそう簡単に諦めると思う?」
「は?」
「いいでしょぉ別に! それくらい俺が持ってたってさぁ!! お前らなんかもう毎日のようにしれっとバンバンやってんだろ?」
そう言われると、否定も出来ず真っ赤な顔で俯いてしまう相手に
おそ松は面白くなさそうな表情で見返す。
「セッ×スって一回したら癖になるって言うよねぇ~、あああぁ、別に羨ましくなんてねぇし! 俺だっていずれ卒業するし!! なんだよお前ばっかりあっさり卒業してくれちゃってさぁ、俺もシたいんだけどぉ、なんなら仲間に入れてよ!!」
「ダメに決まってんだろ!! ていうかその卒業って誰とするつもりで言ってんの? まさかと思うけど」
「え? そんなのコレに決まってるでしょ」
おそ松はポケットからスペアキーを取り出し一松に見せる。
弟が大事と言えど、自分の方がもっと大事!なゲス長男はなんの表情の変化もなくキョトンとしたまま答えた。
「馬鹿なの? お前は馬鹿なのか?! いや、馬鹿だったね……、もう諦めてくんないかな? 迷惑でしかないんだけど」
「うわー、出たよ束縛系男子! 両想いになったら俺のモノ的な? お前そういうキャラだっけぇ? 闇松らしさゼロ! そこはもう同意して三人で楽しくやってこうぜぇ?」
悪びれる様子もなく、何かを企てている様子でもなく当たり前のように発言するその言葉に彼氏である一松は心底ハラワタが煮えくり返る。