第61章 【微エロ】【おそ松ルート】松野おそ松はしつこい
「~~~っ?! っなにすんの! ビビったんだけどっ!」
「あのさぁ……お前のそういう悪い方向に考えるのよくないよぉ? けどそっかぁ、俺の事そんなに好きだったのぉ?! なはははは!」
言うおそ松の顔を見ようとしたけど、その顔は深く胸に沈められてしまいおそ松の匂いが私を閉じ込める。
「うぐっ、く、苦しい…っ!」
「トト子ちゃんはアイドル。 手が届かない存在ってやつだよ。好きの種類が違うの。俺が好き………あー……愛してるのはお前だけ!! そこんとこ分かれよいい加減にっ、散々したろ? この話」
「でっ、でもさっき手を離……」
「あ?」
そう、さっきトト子がコンビニから出た時に間違いなくおそ松は私の手を離した。
だから、トト子に私達が付き合ってるのを知られたくないのではと落ち込んだ。
そして、怖くなった。
「手……? あぁ~、これな? じゃーん!! 見てっ、俺さっき500円拾っちゃった~♪ へへへ~!」
「え? 500円?」
「おう、超ラッキーじゃね?! お前と一瞬離れなきゃいけなかったけどなんとか頑張って拾えたんだよね~!」
まさか。
もし、そうだとしたら、な、な、なんという勘違いを私は━━━━━━……。
「もしかしてそれで……手を……離したの?」
「ん? それ以外になんかある?」
「………っっ!! ~~~ごめん!!」
自分はなんて浅はかで馬鹿な女なのだろう。
今更トト子に嫉妬などしない。
というかトト子に嫉妬なんてしたこともないのだけれど。
けど……やっぱり自分に自信をもつのは今もなかなか難しい。