第59章 【R18】【トド松ルート】その後
後日、ナス子の家でプリントアウトした写真を二人で見ている時。
「結構撮ってるねぇトド松」
「姉さんもね。何枚あんのコレ……」
「あ、見て見て、トド松に似てる魚~」
「だから似てないって!」
何十枚とある写真を、順番に見て行きながら、その日のことを思い出しつつ整理してアルバムに仕舞っていく。
「あ、ホテルのロビーなんて撮ってる」
「記念にね~、すっごく素敵なホテルだったから、また行きたいなぁ……今度行く時は私がお金払うねっ」
「……いいよっ、そういうのはやっぱり男が払わなきゃ…!」
「チッチッチ……そういう考え方はもはや時代遅れですぜトド松さんよ……男とか女とか関係なくない? 持ってる方が払えばいいじゃん」
「男女差別とかのつもりで言ってるんじゃなくて、男としての沽券に関わるって言ってんのっ、ぼくは!」
「……ならまず就職したら……?」
呆れた視線を向けトド松にそう言うと、途端に目が泳ぐ。
「そ、それはまた……話が別って言うかっ? 別に就職しなくてもお金は用意出来るしっ!」
「はいはい……そう言うと思いましたっ」
「いつかはするよ?! いつかは!!」
「わかったわかった………ん?」
トド松を流しつつ、写真の続きに手を伸ばして見ていたナス子の手が、とある一枚の写真で止まる。
「ちゃんと聞いてってばナス子姉さん! 働く気自体がない……わけでもないわけでもないんだけどねっ……」
「………トド松……」
「え? なに?」
ふいに低いトーンで名前を呼ばれ、トド松がナス子の手元の写真を見て、ヤバイというように表情を強張らせる。
ナス子はその写真をトド松の目の前に差し出し、というか顔に近づけすぎて見えないほど近づけて顔をひくつかせる。