第52章 【チョロ松ルート】ステップアップの方法
「チョロ松? 聞いてもいいかな?」
「なんだよ? 今は俺が聞いてるんだけど」
だがしかし、口に出してやらかしたチョロ松は自分のしでかしたミスに気づいていない。
「その恋愛の話ってさ、もしかして・・・」
「だから親友から恋愛に変わるのってどうやっ━━・・・!!!」
またボケっとしたまま語りを続けようとしたが、やっと自分がしでかした事に気づいたチョロ松は目を見開くと口を押えてコタツに起き上がる。
「・・・・・・・・・親友って私、だよ、ね? ははは」
案の定、目の前に座るナス子は顔が真っ赤になると、置いてあった湯のみに視線を落としている。
「・・・あ・・・・・・えっと・・・そ、そんなつもりじゃ」
何か弁解しようとしたが、実際ナス子に告白をしようと以前思っていたのは確かだし、伝えようと思っても理解せず全く信用されない兄弟達よりもいち早くチョロ松の想いが伝わってしまった。
「ち、違うって事かな?」
「━━━━・・・いや、ちが、わない・・・んだけど」
気まずい沈黙が二人の中に流れる。
いつも二人で好きな事をしたり、作業をしたりの沈黙は気にならないのに、この気まずい沈黙はさすがに耐えられない。
しかし、意図せず伝わってしまった思いにチョロ松の心臓はドクドクと脈打ち、目前にいる顔を赤らめたナス子がいつにも増して可愛いと思ってしまう。
こんなに照れた顔は見た事がないのではないだろうか・・・。
それもそのハズだ、誰かに告白されている時のナス子の顔など、今まで見た事がないのだから。