第52章 【チョロ松ルート】ステップアップの方法
「は~い、第※回!! 松野家六つ子会議、はっじまっるよぉ~」
半ばこのお決まりのやり取りに口を開いた長男も面倒臭そうにも二階で横になりながら声を張った。
全員が集まるこの部屋で行われる定例会議は、最早ナス子の話ばかりになっている。
「報告しま~す、告白したけど信じてもらえませんでしたぁ! 以上!! 俺の報告終わりっ」
「はぁ、おそ松兄さんそれもう何度目ぇ? この会議全く意味ないよね? だって皆の報告なんてわかりきってるんだからさ!」
「でもさー、一応? やっとかなきゃわかんないでしょぉ? もしかしたら何かあるかもしれないし、ないかもしれないしぃ」
「フ・・・ナス子は、シャイガールだからな・・・・中々俺の熱いハートを受け止めてはもらえない」
「ハイハーイ!! ボクもまだキスさせてもらってないよー!」
「告白の前にキスしようとしてるの十四松兄さん! それはないなぁ、ないよー! さすがにそれやっちゃただの手が早いヤツだよっ」
各々が口々に報告するも、これも毎度おなじみのパターン。
「・・・まぁ・・・アイツ相手に進展とか難しいよね、俺達は可愛い可愛い弟って思われてる訳だから・・・あ~あ、面倒臭い」
既に疲れ果てている兄弟達だが、だからといって諦める気配はないようだ。
全員の発言を聞きながらも、資格の取り方の本を読んでいるチョロ松はあまり兄弟達の会話が聞こえてはいない。
「おい~、チョロ松ぅ! 今は大事な会議中だぜぇ? なに一人だけ余裕ぶっこいてる訳ぇ?」
「いや、おそ松兄さん・・・チョロ松兄さんの雑誌上下逆さまだからね? 余裕ぶっこいてたらそんなボケっとした締まりのない顔してないんじゃない? ていうかさぁ、最近チョロ松兄さんが全っ然突っ込みとして機能してくれないからぼく一人で大変なんだけど・・・っ」
おそ松がチョロ松の雑誌を奪いながらトド松にも口煩く突っ込まれる。
しかしチョロ松は何をされても言われてもボケっと前を向き何も喋ろうとはしなかった。