第7章 ラーメン食べよう〜六つ子と私
〈ナス子side〉
「すっごく気持ちよかったよ〜ありがと〜また来るね〜」
「はい、お待ちしております。ありがとうございました」
内心もう来なくていい、むしろ二度と来ないでほしいと思いつつ、営業スマイルを貼り付け挨拶をする。
深夜3時。今日の最後のお客さんだったのだが、とんでもないセクハラ親父で辟易してしまいドっと疲れた。
セクハラは若くて可愛い10代20代前半が受けやすいという印象が強いかもしれないけど、実はそうでもない。
好みは千差万別というやつで、可愛くもないし若くもない私でも、そういう対象として見て来る男性は実際にいる。
今日はもうさっさと帰って、熱いお風呂に入ってご飯食べてゲームやって寝よう。
制服の上に上着を羽織るだけの格好で、駐車場に停めてある自分の車に乗り込み、帰りを急ぐ。
オーディオからお気に入りの音楽を流しつつ家まで帰るこの時間は、そんなに嫌いじゃない。
赤信号で止まり、ほとんどのお店が閉まっている中、煌々と営業中のラーメン屋が目に入ると、お腹がぐ〜と鳴った。
・・・ラーメン大好きナス子さん。
帰ってからご飯作るのも今日はなんだか面倒だし・・・
うん、よし、寄って行っちゃおう!