第51章 【十四松ルート】ジャンル名:十四松にハマる
「姉さん姉さん、考えすぎは頭に悪いでっせ!」
「なっ、なんか馬鹿にされてるような気がするんだけど?」
「あのね、思うんだけど二人共好きならそれでいいんじゃないかな?」
とても単純な言葉だが、その言葉を聞くと一瞬口を噤んでしまう。
「だって、僕といて元気になれるなら、もう姉さんは悪い事考えなくなるって事でしょお?」
「・・・・それはそうだけどさ」
「大丈夫だよ、姉さん! どんなに残念でダサイ姉さんでも、ボクがずーっと姉さんの傍にいて笑わせてあげるから」
そんな言葉を言われるとナス子の元々弱い涙腺はすぐ緩んでしまい涙が出そうになってしまう。
こんな私を好きになってくれるなんてと思うとより胸が苦しくなった。
「ねえ、姉さん! キスしていい?」
「・・・うん、してもらえますか?」
「もちろん!!」
顔を覗き込んでいた十四松が再びナス子の唇に触れると、ナス子はそれを待っていたかのように目を瞑り二人で抱きしめ合う。
「もう、本当に認めるしかないんだなぁー・・・」
「ん? なにがー?」
「私は、多分、十四松よりも前から十四松の事意識してたのかもしれないって」
気恥ずかしそうに口元を緩ませそう言葉に告げると、十四松も真っ赤になり、視線を泳がせたがすぐにナス子に覆い被さって体重を預け再度強く抱きしめた。
「なんだ! そーなの?! もっと早く言ってくれれば良かったのにい!!」
「だって言ったら十四松は困るでしょ? あの時はまだ私はお姉ちゃんだったんだからさ」
一度認めてしまえば簡単なもので、あんなにモヤモヤしていた自分が馬鹿のようだった。
抱きしめられた体を抱き返すとその体温の心地よさにまた眠気が増してくる。
安心感、それが十四松が与えてくれる力。