第51章 【十四松ルート】ジャンル名:十四松にハマる
「姉さんどうしたの? 顔真っ赤だよー! あっ、もしかして・・・ボクがキスしたから? あはは、もしかしてボクの事ちゃんと男って思ってくれたのかなぁ?!」
特に悪い笑みでも悪戯でもなく、素直に思った事を述べる十四松の正論にまたも早鐘を打つと、ナス子は視線を逸らして挙動不審になってしまう。
「ち、ちが、ちちちち違うよ? ほら、今日熱いから! 熱いからただ顔が赤くなったって言うか・・・」
取り繕うように手をパタパタさせ顔を仰ぐと、そんな動作に十四松は首を捻る。
すると、体を前に倒し自分のデコをナス子のデコに押し付けてきたのだが、突然の奇行にナス子は戸惑い、避けられずにデコで受け止めてしまった。
「っわあああ!」
「あはは、姉さんあいっかわらず声クソデケェね!!」
くっつけられたおデコが離れると、十四松は上を向きうーんと考えてニパリと笑う。
その表情が堪らなく可愛く見えたナス子も心臓がキュっとなった気がした。
「うん、熱はないみたいだよ!」
「あ、ははは、そっかぁ・・・ありがとう・・・」
十四松の毎度おなじみの突然の意味不明な行動に、心臓が持たなくなりそうなナス子である。
「姉さんあのね、いつも姉さんに伝えてるんだけどあれマジなやつだからね!」
「マジとは」
「だから、ボクは姉さんが大好きって事!」
起きがけからまさかそんな言葉を十四松が出すとは思わず、多少の緊張がナス子の身体に走った。
連日の大好きの続きがまたも始まる。
だが、その大好きは今のナス子とはもう違うと思うと、本人もどう返すべきかと迷った。