第51章 【十四松ルート】ジャンル名:十四松にハマる
なんで、なんで、どうして? 相手は十四松だよ?
馬鹿だけど、無邪気で素直で子犬のような可愛い弟・・・
何度脳内で説得をしても、脳裏に思い出された十四松の記憶が邪魔をして、男としての十四松ばかりが浮かんでしまう。
先日イタズラでした薬の一件。
あの一件以来、自分が六つ子全員を男性として少しづつ意識しだしてしまった事はわかっていた。
だが、その六つ子の中でも絶対に恋愛感情にはならないであろうと思っていた相手を、またも意識してしまっている。
可愛いのに格好良くて、マイナス思考な自分を肯定してくれる優しくて太陽のような存在。
一緒にいると温かい気持ちになり、悲しい時、怖い時は体を張って笑わせようとしてくれる・・・。
ナス子は徐々に育ったこの感情から目を逸らしていたのだが、十四松を見ながら芽生えてしまったこの感情はそれとは裏腹なもので、まさかの言葉が浮かんでくる。
なんで私は十四松の事を今まで好きになってなかったのだろう━━━━━・・・
と。
自分が女なら惚れるね! と言いたい所だが、思い出すと自分は女だった!!
もう脳がパンク寸前になっている。
「うぅ・・・ん」
「っ?!」
十四松が少し居心地が悪そうに頭を擦りつけると、また気持ち良さそうな寝息が聞こえてくる。
今のこの自分の状態で、起きた十四松と対面してしまうと非常にマズイ。
起きた時にまたキスがしたいと言われれば、きっと普通に応えてしまうだろう。