第51章 【十四松ルート】ジャンル名:十四松にハマる
朝、パチリと目が覚めると他の兄弟達よりも早くダッシュで顔を洗い、歯を磨き、朝食を詰め込む。
実は兄弟達の中でナス子の家に行く順番が決まっているのだが、今日は楽しみにしていた十四松の日だった。
野球のユニフォームに着替えて気合を入れると、今日も元気に笑い、目的の家にダッシュで向かっていった。
本日の主役、松野家五男、松野十四松である。
・
・
・
「姉さーん! おはよう!! 十四松だよっ」
マンションの扉をドンドンガンガン叩き、会いたい人物へと声をかけると、素早く扉が開いた。
「も~、朝から煩いよぉ~今から寝ようと思ってたのに・・・」
どうやらナス子は今朝まで仕事だったようで、気だるげに十四松を出迎えた。
「あ! 姉さん仕事だったの? お疲れ様でーっす!!」
「労いの言葉ありがとう、おやすみなさーい!」
挨拶が終わり、寝なおそうと扉を閉めようとするも、十四松が持っていたバットが扉に挟まれ閉める事を阻まれてしまう。
「だーっ、もう毎回毎回昼夜問わずやってくるあんた達の所為で寝不足なんだけどぉ?! 今日はなに?! まだあの薬の件の報復が続くワケぇ?!」
「あはは、違うよ姉さん! 僕は姉さんに告白をしに来ただけだよ?」
毎度同じ事を言われ、ナス子はもう十四松が何を言うかはだいたい察している。
「うんうん、そうだね。私も大好きだよ、十四松、だから今は寝かせてくれないかなぁ・・・一緒に遊ぶのは夕方まで待って・・・」
「うーん・・・わかった! じゃあ、姉さんの家で起きるまで待ってていい?!」
納得したような、納得してないような顔で十四松はナス子に詰め寄ると、その強引かつ無邪気な笑顔にさすがにダメとは言えなくなってしまう。
NOと言えない女子、ここに見参である。