第49章 【一松ルート】マイナス端子の恋
「・・・・・・はぁ~~~・・・・・・まさかねぇ、あの一松がねぇ」
「え、何? 一松がどうしたの?!」
「いや、アイツがって言うより・・・・・・お前が?」
「わ、私?」
「ホントは僕が言わなくたってわかってるんじゃないの?」
チョロ松が半ば諦めたように深く溜め息をつきながらそう言うと、ナス子は両手で自分の顔を覆いテーブルに突っ伏す。
「~~~っ、やっぱ、そうなのかなぁ? そうなのかなあチョロ松くんー!? こ、これって十四松の時と似てるんだけど、なんかちょっと違うんだよ・・・っ」
「ああ、十四松の・・・なんだっけ?」
「ギャップ萌えの時と違うの! 昨日だよ? 昨日気づいたのに・・・っ、一松の場合はなんか、なんかね・・・とにかく会いたい、一緒に居て欲しいし・・・・一松の事考えると胸がキュウウってして、会えないのがスゴク寂しいし悲しいんだよ・・・・・・会いたいけど会うの怖いし、でも会いたいし・・・なにこれってなってるんだけど! 自分が気持ち悪い! 乙女か!」
ナス子はやっと溜まっていた思いを口から出すと、まるでダムが決壊したかのように捲し立てる。
これはもう、どうやら相当重症らしい。
気が付いた時には末期になっていたパターン。
病名は『恋の病』
恐らく、ここでそれは違う、と否定し納得させることは不可能ではないだろう。
だが、ここまで自覚出来ているものを、今更掻き乱すことは、いくらクズの自分でもしないし、出来ない。
玉砕となって悲しい気持ちも大きいが、自分の好きな人が、自分を信じて頼ってくれたのだ。
それでいいではないか。
「チョロ松、私・・・多分、一松が好き・・・なんだと思う」
相手は馬鹿で鈍くて残念な女。
ここはもう一度確認しておこうと先程と同じ質問をかける。