第47章 【おそ松ルート】今こそ全ての想いを・・・
「だーかーらー! 聞けよ! 俺の話ぃ!」
「しつっこいな!! 聞いてるでしょ?! ず━━━っと!!」
マンションの一室に、言い合いをする二人の男女。
何か事件の臭いがするが、そうではない。
とある日の午後、おそ松がナス子を訪ね家にやってきたのだ。
もちろんアポなしである。
今日は出勤日の為、当然のように就寝していたナス子は、突然のおそ松の訪問により起こされた。
まだ寝ていたいところを強制的に起床させられ、ナス子の機嫌は大変悪かったが、おそ松はそんなことはお構いなしだ。
・・・と、いうのはかれこれ二時間前のこと。
「聞いてないでしょ! わかってないでしょ俺の言いたい事! 俺スッゲー真面目なのに! マジのマジなのにっっっ!!」
「はぁ━━━━・・・・・・だからわかってるって・・・・・・この間の褒め薬の件の仕返しでしょ?仕返しの仕返しなんて、趣味悪いよおそ松」
「ちっ・・・・・・っが━━━━━う!! それは関係ないの!! 俺は━━━! お前が━━━!! 好きだ━━━っっって!! 言ってんの━━━━━!!!」
「ちょっと! 声抑えてって!! 大きな声出さないでよ・・・!」
このように、ここに来てからというもの、おそ松はずっとナス子に告白をし続けている。
二時間ずっとだ。
さすがのおそ松も声が枯れてきている。
どうしてこんなことになったのか・・・。
あまりにも自分の行った告白シュミレーションとかけ離れていて、おそ松はすっかり疲労困憊していた。
「はぁ・・・は━━━━・・・告白ってこんな疲れるの?! こんな体力がいることだったの?! 初耳なんだけど!」
「私がどんな反応するか賭けでもしてるわけ? 必死すぎない?」
ふいに思いも寄らない言葉が返って来て、おそ松はまたも声を張り上げる。
心外だった。